FC2ブログ
2019/08/31 (Sat) イニエスタ来日の文明論的意義

<イニエスタ来日の文明論的意義>

令和元年830

屋 繁男

イニエスタ選手が数ある国の中で日本を選んで神戸に来てくれたことは、本当に嬉しい限りである。金銭的には、はるかに多額の提案をした国もあったであろう。けれども彼は日本を選んでくれた。その理由は「日本の文化が好きだからだ」そうだ。

 しかし、生きる世界遺産とも言われるイニエスタが、そのように言って日本を選んだのはこれから述べるように実は文明論的な意味があるのである。ある人いわくイニエスタが持つ最も素晴らしい才能は、周囲の選手を輝かせられる点にある。もし彼がいなかったら、メッシはバルサにずっと早く疲れていたろうと言われるぐらいの選手なのである。

 ところで、従来のサッカーの強豪国と言われるのは、独国、仏国、英国、ブラジル、アルゼンチン、スペインといったぐあいで、スペインはその中でも最後に位置する国であった。パスを中心にした美しいサッカーをするのではあるが他の強豪国には遅れをとっていた。しかし、システムの中で他の選手を生かすというサッカー哲学を確立し、美しいパスサッカーに更なる磨きをかけ、今までのどこのサッカーにもなかった強さを加味することによって、数年前のワールドカップ優勝に至った。この時の立役者がイニエスタなのである。今現在、世界のサッカー思想をけん引しているのは、バルサを中心とするスペインなのである。そして、その中心にいるのがイニエスタなのである。

サッカーが重要な文化としてもある欧州や南米の人々にとってイニエスタは単に偉大なサッカー選手としてあるだけではなくて、文化的リーダー且思想者としてもあることを忘れてはならない。久保建英選手がレアルマドリードに入団したとかで話題になっているが、年若い選手たちは強いスペインサッカーに憧れているだけではなくて、今述べたようなサッカーのスタイル、文化さらにはその思想に憧れていることを忘れてはならない。

思うに茶の湯、和歌、俳句等は、空間と時間を共にした他の人間をも輝かせる技法を持った日本文化の装置(instrumentといえよう。いや、他の人間ばかりではなく動、植物等の自然をも輝かせる方法を日本人は文化装置として持っていると言えよう。そしてイニエスタは日本に対してそのような文明論的な直感と共感を持つに至ったのであろう。

 ところで、イニエスタの方がそのような文明論的認識のもとに彼の持つサッカー文化を伝えようとの目的で来日しているのだが、日本人の方はサッカーのことはもちろん、この文明論的な認識というものが分かっていない。

周知のように、日本はまだサッカー後進国で、野球のように国民の文化として定着してはいない。単純に言えば野球の母国米国と戦っても五分とはいかなくても3回に1度くらいは勝利している。サッカーはこういうわけにはいかない。日本が独国やスペイン等に3回に1度勝つなんてことは、ずっと先の話であろう。野球は日本の文化的背景を力としたスタイルを持っているのに対し、サッカーはそれを持っていないからである。このサッカーのスタイルないし思想については小生のブログで論じているので参照してください。

さて、サッカーのこと以上に大切なことはサッカーのことをも含めた文明論的観点である。かつてラフカディオハーン、後の小泉八雲が来日した時も彼も文明論的な意味を求めて日本に来てくれたのだが、当初日本人はとてもそこまでは思い至らなかった。後々に夏目漱石をはじめとした明治の文化人が西欧とは違った文明的価値を日本の中に把握しえたのは日本の文化を的確に理解し愛してくれた八雲のおかげと言っても過言ではない。

 このような好意を持って来日してくれる人に対して少しはお返しをしなければならないであろう。それは文明論的なものとしてでなければならないであろう。幸い小生は歌人であるので、和歌を献じることにした。

 時空を共にした他者をも輝かせる文化的装置(instrument)・日本の和歌が、その技量をはたして発揮できるかどうか、それは見てのお楽しみ。

 


 

八月十七日対浦和戦、八月二十三日対サガン鳥栖戦
イニエスタがわれらに伝えるサッカーは
超ロングフリックパス エスパーニャの魂振り

      
                                  令和元年八月二十三日


スポンサーサイト



未分類 | trackback(0) | comment(0) |


| TOP |

プロフィール

shiropapa1111

Author:shiropapa1111
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード